SSDという製品をご存知でしょうか?
SSDとはパソコンのパーツの1つで、HDDの代わりに使えるストレージです。
正式にはSolid State Drive(ソリッドステートドライブ)と呼ばれ、それぞれの頭文字を取って付けられた略称です。
SSDはエスエスディーと読みます。
ここではSSDの簡単な説明、SSDとHDDの違い、そしてSSDの選び方についてお伝えします。
目次
SSDの仕組み
SSDとはフラッシュメモリと呼ばれるメモリに、データを保存するパーツです。
フラッシュメモリと聞くと馴染みがありませんが、USBメモリやスマートフォンのストレージにも、フラッシュメモリが使われています。
USBメモリを大容量化、高速化したもの、というイメージを持っていただければ、おおよそ間違いありません。
SSDとHDDの比較
現在、パソコンに搭載されているデータを保存するパーツと言えば、HDDが使われています。
SSDはこのHDDの代わりに使う事が出来るパーツです。
パソコンへの接続方式はHDDと同様ですが、HDDでは実現出来なかった超小型化も可能なので、HDDよりも接続方法は多彩です。
そんなSSDですが、HDDと比べてどんな利点があるのか、見ていきましょう。
SSDのメリット
SSDのメリットには以下のような物があります。
- 非常に高速である
- 動作音が無いので静か
- HDDよりも衝撃に強い
- 軽い
非常に高速である
SSD最大のメリットは高速である事です。
どのぐらい速いかと言うと、HDDよりも2倍から10倍速いです。
パーセントに直すと、200%から1000%です。
1年ごとのパソコンの性能向上は、多くても50%程度である事を考えると、どれほど速いかが分かると思います。
動作音が無いので静か
SSDは仕組み上、動作音が鳴る箇所が無いので、全く音が鳴りません。
スマートフォンを耳に近づけても全く音がしない事からも、分かると思います。
HDDよりも衝撃に強い
これはSSDが衝撃に強いというよりは、HDDが衝撃に弱いだけです。
HDDは構造上の問題で、強い衝撃が加わると、記録面に傷が入ってしまう可能性がある為です。
CDやDVDの表面に傷が入る、というイメージを持って頂ければ分かりやすいと思います。
HDDよりも衝撃に強いと表現したのは、電子機器は総じて衝撃に弱い物なので、雑に扱えば当然衝撃で壊れるからです。
身近にある物なのでつい雑に扱ってしまいがちですが、電子機器は精密機械です。衝撃には注意しましょう。
軽い
HDDと比べてとにかく軽いです。
ノートパソコン用の2.5インチサイズのHDDと比べて、おおよそ半分の軽さです。
SSDは2.5インチのサイズ以外にも、さらに小型のタイプもあり、そうなるともっと軽くなります。
SSDのデメリット
次にSSDのデメリットを見てみましょう。
- 容量当たりの単価が高い
- 大容量のSSDが存在しない
- 故障した場合のデータ損失が大きい
容量当たりの単価が高い
500GB以下の物に関しては、かなり安くなりました。
あまりたくさんの容量が必要のない使い方であれば、気軽に購入出来るぐらいの金額です。
しかし500GB以上の容量、特に1TBを超える容量となると、まだまだ高額です。
年々SSDの価格は下がる傾向にあるので、もう少し待てば、手が届く価格まで降りてくるかもしれません。
大容量のSSDが存在しない
HDDの現在の大容量の物は、14TBにもなります。
一方でSSDだと8TBが上限です。(2019年2月現在)
ストレージ1つで大容量が必要という場面では、HDDには完敗です。
近いうちにさらに大容量のSSDが発表される見通しは立っていますが、現実的に手が届く値段になるのは当分先でしょう。
故障した場合のデータ損失が大きい
これはフラッシュメモリの最大の弱点なのですが、故障してデータが読めなくなった場合、全てのデータが読めなくなります。
なので大事なデータは必ずバックアップが必要です。
HDDでもある日突然、全てのデータが読めなくなる、という事はあるので、バックアップが大事なのはSSDでもHDDでも変わりません。
SSDの場合はHDDよりもさらに慎重にした方が良い、というだけの話です。
ちなみにSSDのデメリットというより、フラッシュメモリのデメリットなので、USBメモリやスマートフォンでも同じ事が言えます。
HDDのメリット
次にHDDのメリットを見てみましょう。
- 大容量かつ安い
- 故障時のデータ損失が少ない
- 製造技術が安定しているので初期不良が少ない
大容量かつ安い
大きな動画データを扱うような場合には、大容量が必要になります。
SSDでは大容量の物は高価で、大きくても8TBまでです。
今後もSSDの大容量化は進むでしょうが、しばらくは高価になってしまうのは変わらないでしょう。
一方でHDDは8TBでも2万円を切る製品があるぐらい、大容量でも安価です。
故障時のデータ損失が少ない
故障の仕方にもよりますが、HDDは故障し始めてもデータの復旧は比較的簡単です。
全く認識せず、普通の設備ではどうしようもなくなったとしても、データ復旧専門業者に依頼すると取り出せるという事例も、少なくありません。
ただし専門業者に依頼すると、データ救出料金は10万以上からと、非常に高額になるので、出来るだけバックアップを小まめに取って対処したいですね。
HDDのデメリット
HDDのデメリットは、以下のようなものです。
- 遅い
- 経年劣化により、速度が落ちていく
- 動作音がする
- 重たい
遅い
HDDの構造上の問題で、高速化が難しいです。
その為、あまり高速化が進んでいないというのが現状です。
現在(2019年2月)の最新技術を使ったHDDであれば、他のHDDと比較して速いと感じられるぐらいの成果は出ているようです。
が、大容量が必要でないのなら、SSDの方が安価でさらに高速です。
経年劣化により、速度が落ちていく
HDDはモーターを使って記録面を回転させる、という構造です。
モーターは経年劣化で段々と回転速度が遅くなっていきます。
モーターの回転速度が遅くなれば、その分データの読み書きも遅くなります。
これが経年劣化による速度低下の1つです。
もう1つあり、それはHDDの記録面は磁力を使っている事に由来します。
磁力で何度もS極、N極の入れ替えを繰り返すと、段々と入れ替える速度が落ちていってしまいます。
これも経年劣化による速度低下です。
最終的にはS極にもN極にもならなくなってしまいます。これがHDDの故障の1つですね。
動作音がする
HDDはモーター音と、データへアクセスする時に音が出ます。
静かな環境であればあるほど、意外と煩く感じますね。
重たい
HDDは重たいです。
動作が遅い話ではなく、重量があるという意味です。
2.5インチのHDDは95~110g程度で、SSDは40g前後です。
軽いノートパソコンであれば、この重量差は意外と大きくなってきます。
SSDの選び方
SSDの製造には、実に多くのメーカーが参入しています。
どのメーカーの製品が良いか、判断に迷ってしまいますね。
判断の決め手は現在の空き容量と、値段を見比べて、となります。
SSDは値段の差が非常に大きいです。
この差はどこから来ているかというと、ざっくり言えば品質の差です。
完成した製品に対して厳しい検査を課せば課すほど、実際に販売に足る品質の製品は少なくなっていきます。
使った原材料に対して実際に販売する数が減れば、それでも利益を出そうとすると値段を上げるしかありません。
特にSSDは故障時のデータ損失がHDDよりも大きい事から、品質にこだわるのは間違いではありません。
こういった事情から、どこまで厳しい検査をするかは各メーカーの判断によるという訳です。
なので、安すぎるSSDには注意が必要です。